<月-tuki->
一番好奇心旺盛で、一番イタズラで、一番人をなめ切っている。なのに一番トロイ. 今でこそ強そうな顔をして、家の中を我がもの顔で歩き回っているが、 産まれたばかりの頃はコイツが一番頼りなかった。 あまり目も鼻もよくないらしく、ご飯をやってもじーーーーーーーっと見つめて いるか、手で触って考え込んでいるだけで、他の子に全部取られてしまう。 他の子があちこち探検しているのに、一人で隅に座り込み、 小首をかしげて見ている。でもこの様子がものすごく可愛かった。 だから人間たちは一番この子を可愛がったように思う。 月は色々工夫して考える猫だ。ある事件のあと、猫たちは家の中に入るように なってしまったのだが、中でも月は粘り強く家の中に居座り、 自分の縄張にしてしまった。することが面白いので人間には可愛がられているが、 猫社会では弱者のようだ。生後数ヶ月で 避妊手術 をした時、この子だけ一日中麻酔から覚めなくてとても心配したよ。

月の努力の結果
私が部屋にいるとき、一番ベッドに近い場所を探して、 そこで窓を引っかくと、あまりのやかましさに入れて貰えることを発見。 そこで入れなくても、あらゆる入口をトライし、何がなんでも入ってくる。
他の子にすぐ餌を取られるのだが、皆が首を突っ込んでいる皿を前足でそっと引き寄せて、自分の頭を突っ込めるスペースを作る。
外に出されそうな気配をいち早く察し、どこかに隠れる。 他の子が外に出されてしばらくしてから出てくる。 失敗して出される羽目になると、ものすごく文句をたれる。
水が欲しいとき、たらい(人間用)に手をかけて顔を見る。

小話
コドモの頃、奥の部屋にさりげなく消えて”しー”をしていた月は、動転した母に抱き上げられて叱られたが、”無理言うな、しーは急には止まらない”ということで、 真面目な顔で抱き上げられたまま、たれ続けた。
同じくコドモの頃、ケンタッキーの残りをやってみたら、「これは地球上の生き物か?!」というほど奇妙な叫び声(あおうわおおおあおわあ)を上げて食べた。感激したようだ。
母になついていて、母が出かけると玄関のスリッパの上に座って待っている。木下藤吉朗かおまえは。
お客が玄関にくると、母の横に座って一緒に応対する。
誰であろうとトイレに入っていると、必ずドアの前に座る。
てぺが雄猫に追い詰められているのを発見した母が雄猫を追い払うと、 それまでドコに隠れていたのか、まるで自分が追い払ったかのように毛を逆立てて 逃げる雄猫のあとをおっかけた。
コイツの話は切りがない‥‥(親馬鹿?)

チビ一家の話に続く(”陸”へ)

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